【タンパク質の素はアミノ酸】それぞれのアミノ酸の役割を紹介(必須アミノ酸編)

このページを読むとわかること

・人間のタンパク質を構成するアミノ酸は全部で20種類

・その中で9種類(もしくは10種類)が必須アミノ酸。それ以外は非必須アミノ酸。

・非必須アミノ酸は「体内で合成できる」という意味であり決して「非必須(=不必要)」という意味ではない

ユウ
今回は必須アミノ酸に絞って紹介します。

(復習)タンパク質とアミノ酸の関係

アミノ酸の話をする前にまずタンパク質とアミノ酸の関係について復習しておきましょう。

タンパク質はアミノ酸と呼ばれるものが集合して固まってできたものを言います。

おにぎりがタンパク質だと例えると、その米粒一つ一つがアミノ酸ということになります。 

タンパク質は様々な種類のアミノ酸が結合してできているのですが、 そのタンパク質を構成するアミノ酸は20種類と言われています。 人間の体すなわちタンパク質を構成するアミノ酸が20種類というだけで、 この世の中にアミノ酸が20種類だけしか存在しないというわけではありません。

さて、この20種類のアミノ酸は体内で合成できる非必須アミノ酸と、 体内で合成できない必須アミノ酸とに分けられます。体内で合成できないから外から取ってくるしかないということで「必須」という言葉が使われています。

しかし、この分け方はここに書いたとおり体内で合成できるか否かというだけで、 「非必須アミノ酸」という名前がついているからといって不必要という意味では決してありません。

 非必須アミノ酸は必須アミノ酸から合成されます。以前、プロテインをEAAに置き換えて摂取することによって体調不良を訴える方が急増しましたが(SNSを中心にこういった動きがあったように記憶しています。覚えておられる方も多いのでは?)、 この原因を私は非必須アミノ酸の相対的な不足によるものと考えています。EAAは必須アミノ酸だけですが、プロテインには非必須アミノ酸も含んでいるからです。

必須アミノ酸から非必須アミノ酸を合成する際は、アミノ酸基転移酵素であるビタミン B6が必要となります。当時ビタミン B6を摂取することによって体調が回復したという体験談が多く見られましたが、こういう理由があります。 

詳しい話はこちらの記事をご覧ください。

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EAAで起こる体調不良

さて、前置きが長くなってしまいましたが、 必須アミノ酸には以下の9種類があります。これらは体内で合成できないアミノ酸であり、英語ではEssenstial Amino Acidと言います。EAAサプリメントには以下のすべてが含まれています(プロテインには以下の8種類に加え非必須アミノ酸の12種類もすべて含んでいます)。

必須アミノ酸(9種類)
ロイシン、バリン、イソロイシン、リジン、メチオニン、フェニルアラニン、スレオニン、トリプトファン、ヒスチジン

さらに乳幼児の場合はアルギニンを体内で合成出来る量が極わずかという側面があるため、アルギニンも必須アミノ酸として加えられます。 

覚える際は「風呂場の椅子一人占め(フロバノイスヒトリジメ)」と覚えるそうです。

ェニルアラニン、イシン、リン、ソロイシン、レオニン、スチジン、トリプトファン、リジン、チオニン、

さてそれぞれの役割を詳しく見ていきましょう。

ロイシン

  • タンパク質合成の促進
  • 筋肉の整腸
  • インスリン抵抗性の改善

ロイシンの役割は何と言ってもタンパク質合成の促進、筋肉の成長、インスリン抵抗性の改善です。

日々トレーニングに励み、筋肉をつけようと努力している人はロイシンの摂取量が重要です。筋トレにはカゼインプロテインよりもホエイプロテインが優れていると言われますが、ひとつの理由にロイシンの含有量が多いからといった理由があります。また、後述しますが断糖高脂質ダイエット(ケトジェニックダイエット)をしている方は糖代謝を上げるという意味でロイシンの摂取量が重要になってきます。

バリン

  • 血液中の窒素バランスを調整する
  • TCAサイクルの中間体を作り出す

バリンは TCA サイクルの中間体を作り出しますが、ロイシンが作り出すのはアセチルCoAだけであり中間体は作りだしません。中間体が足りないとオキサロ酢酸が足りなくなるため TCA サイクルが回りにくくなってしまいます。 そのためバリンが不足するとエネルギー代謝がうまく回らず疲労を感じることになります。

イソロイシン

  • ヘモグロビンを作り出す
  • 血管拡張
  • 神経機能補助

先ほどのロイシンは TCA サイクルの中間体を作り出さずアセチルCoAのみを作り出す。バリンはアセチルCoAではなく中間体を作り出す。と書きましたが、イソロイシンの場合は両方を作り出します。

さらに、最近の研究ではイソロイシンはロイシンにも勝るグルコース取り込み作用があることが分かってきました。断糖高脂質ダイエット(ケトジェニックダイエット)をする際はロイシンとイソロイシンを積極的に摂取することが推薦されます。

(補足)分岐鎖アミノ酸(BCAA)について

ここまでロイシン、バリン、イソロイシンという3つのアミノ酸を紹介しましたが、これらのアミノ酸はまとめて分岐酸アミノ酸(Branched Chain Amino Acid:BCAA)と呼ばれます。

これらのアミノ酸は他のアミノ酸にはないユニークな特徴があるのでここでまとめて紹介します。

肝臓で代謝されるアミノ酸

通常アミノ酸は肝臓で代謝されるのですが、 BCAA の特徴はこれらが筋肉で代謝されるということです。つまり運動中はBCAAの必要量が急増します。 アミノ酸のインバランスを防ぐ目的でも運動中は BCAA を優先的に摂取したいところです。

※アミノ酸のインバランス:体内のアミノ酸のバランスが崩れること。EAAを大量に摂った場合は非必須アミノ酸が相対的に不足するが、これもアミノ酸のインバランスと言える。

糖代謝改善に有効

先述した内容と重複しますが、 BCAA にはインスリン抵抗性の改善作用があります。

その為、断糖高脂質ダイエット(ケトジェニックダイエット)をしており、糖代謝を改善したい場合は BCAA の摂取が推薦されます。特にこれらのダイエットの導入初期はインスリン抵抗性を改善し速やかにケトーシスに持っていく必要がありますから、1日あたり20~30g程度のBCAA摂取をお勧めします。

インスリン抵抗性についてはこちらをご覧ください

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運動時の疲労を感じにくくする効果がある

BCAA のもう一つの特徴として血液脳関門を通過し脳に入ることができることがあげられます。

その際、トリプトファンが脳に入る際に使う道路と同じ経道路を使うのですが、 当然道路の輸送量には限界がありますからトリプトファンと道路を取り合うことになります。トリプトファンは気分をリラックスさせる作用があるのですが、それが行き過ぎてリラックス≒ダルさを感じる原因となる場合もあります。特に運動時に感じる疲労はトリプトファンによるものが大きいとされています。

 BCAA は先述したようにトリプトファンが脳に入るのを拒みますから、運動時に 疲労を感じにくくする作用があるというわけです。この場合は疲労回復というよりも疲労を感じにくくする。と言った方が良いでしょう。 

 

このように BCAA は筋トレをする人にはとても有名なサプリメントです。 有名どころでエクステンドと言う商品がありますが、 1回14g中に含まれるBCAAの量は7gだけです。含有量に注意しましょう。その他の成分がグルタミンやシトルリンです。(エクステンドは味が良いことで人気です。中でもレモンライムが甘すぎずオススメです)

口コミ

美味しい!|Xtend, Xtend(エクステンド)、オリジナル7G BCAA、レモンライムスクイーズ
オレンジとレモンがお気に入りです。 炭酸にするならオレンジが美味しいかも。 レモンはちょっと薄めに作っても美味しく飲めるので、甘めが苦手な人もいけると思います。

もちろん、純粋なBCAAだけで構成されたサプリメントもあります。CGNの商品は有名な味の素の原末「Ajipure」製のBCAAですが、無味なのが辛いところです。

California Gold Nutrition, BCAAパウダー、AjiPure®(アジピュア)、分岐鎖アミノ酸、454 g(16 oz)
口コミ

とても素晴らしい|BCAAパウダー、AjiPure®(アジピュア)、分岐鎖アミノ酸、454 g(16 oz)
初めてこれだけを水に溶かしてのんだら苦かったけどだんだん慣れてくる。トレーニング中飲むと酷い筋肉痛がこない。トレーニング以外でも飲んでると疲れにくい気がします

メチオニン

  • 開始アミノ酸
  • カルニチンの合成

体の中でタンパク質をつくる際に一番初めに必要な必須アミノ酸です。そのため開始アミノ酸と呼ばれており、メチオニンが不足すると全てのタンパク質合成に支障が出る恐れがあります。

また、脂肪をエネルギー化する際に必要なカルニチンという物質の合成にも関わります。 非必須アミノ酸であるシステインやタウリンを合成するのにも使われます 。

リジン

  • ヘルペスウイルスに対抗する
  • カルニチンの合成

リジンは小麦や米など穀類に少ない必須アミノ酸です。

そのため米を主食とする日本人はリジンが不足しがちだったのですが、 大豆にはリジンが多く含まれています。そのためご飯と味噌汁、豆腐といったような古典的な和食はリジンを行うという意味で有効でした。まさしく先人の知恵です。

さてリジンもカルニチンの合成に関わるのですが、私が強調したいのはヘルペスウイルスに対抗するアミノ酸であるということです。 後述しますが、アルギニンはヘルペスウイルスの餌となってしまいます。アルギニンは成長ホルモンの分泌という観点から重要なアミノ酸ですが…

口唇ヘルペスで唇を腫らしアナゴさんになりたくないなら一緒にリジンも摂りましょう。

アナゴさんはリジンが足りてないと思われる

California Gold Nutritioinの商品はAjipure原末を使用していて質が高いと思います。

口コミ

とても素晴らしい|California Gold Nutrition, L-リジン、500mg
20年前くらいからアレルギー体質なので、季節の変わり目やストレスが溜まると顔にヘルペスが出来、それもまたかなりのストレスになっていたが、これを飲みはじめて以来、肌の調子も荒れるくらいでヘルペスまでできることがなくなった。


味の素のAjipure使用|California Gold Nutrition, L-リジン、500mg

ウイルス感染予防を期待してモノラウリンと併用している。1日に両方とも3000㎎。摂取量が多いので、大変低価格のこの製品があって助かっている。低価格であるのに、使用している原材料のl-リジンは味の素製のAjipureと信頼のおけるもの。カプセルも植物性だし、かなり良い製品だと思う。ステアリン酸マグネシウムが入っていなければ完璧だった。

フェニルアラニン

  • チロシンを合成する
  • 鎮痛作用

フェニルアラニンはチロシンを合成する際に必要となります。チロシンはドーパミンやノルアドレナリンの材料になります。

詳しい話はチロシンのところで解説しますが、チロシンにはないフェニルアラニンの特徴として鎮痛効果があります。

慢性疼痛患者を対象にした研究ではフェニルアラニンによる鎮痛効果が確認されています。

口コミ

とても素晴らしい|L-フェニルアラニン、500mg、ベジカプセル120粒
排卵日付近のイライラに飲んでいますが楽です。 生理前には違うものを飲んでいますが排卵日付近はこれでじゅうぶんです。


おだやかな効き目で良い|L-フェニルアラニン、500mg、ベジカプセル120粒
やる気の低下や疲労が溜まっていると感じた際にチロシンを服用していましたが、首がこる副作用が嫌だったので フェニルアラニンを摂取してみましたが、おだやかに効く感じが良いと感じました。特に副作用も感じられず、 続けて飲んでも大丈夫そうだと感じ☆4にしました。劇的な変化を求めておられる方には物足りないかもしれないです。

トリプトファン

  • セロトニンやメラトニンの材料
  • ナイアシンの合成

トリプトファンは気分を落ち着けてくれるアミノ酸で、 幸せホルモンと呼ばれるセロトニン、良質な睡眠に導くメラトニンの材料となります。 

また、ナイアシンを合成する際にもこのトリプトファンが使われます。

つまり、体内でナイアシンが不足していない状態を作ると、トリプトファンが節約できます。 逆に言うとナイアシンが不足した状態ではトリプトファンの奪い合いが起こってしまいます。トリプトファンが不足すると最悪の場合うつ症状が現れます。メンタルにはナイアシンと言われる理由はここにあります。

口コミ

寝つきが良くなりました|L-トリプトファン、500mg、ベジカプセル120粒
寝付きがわるくなかなか眠れないことが多く、処方薬のデパスなどを服用していましたが、なるべくサプリで眠りたいとおもい試しました。 わたしの場合はメラトニンよりもこちらのほうがはるかに効果があり、食後に飲むと薬を飲まなくても入眠できるようになりました。今は週に2,3回飲めば大丈夫なようになってきました。


とても素晴らしい|L-トリプトファン、500mg、ベジカプセル120粒
夏になると暑さのせいで睡眠が浅くなってしまいます。 夏だけこちらを飲むようにしています。飲んだ方がよく眠れるので効いていると思います。 夏以外はよく眠れるので飲んでいません。私にとっては夏限定のサプリです。

スレオニン(トレオニンとも)

  • エネルギー産生
  • 筋緊張を和らげる
  • 脂肪肝を予防する
  • 肌の潤いを保つ

スレオニンは乾燥肌の予防に有効です。 スレオニンには体内でコラーゲンを合成する際の材料となり肌の潤いを保ちます。またこれは髪の毛の潤いに対しても有効とされています。

またスレオニンはピルビン酸やαケト酪酸になってスクシニルCoAとなりTCA サイクルに入ります。つまり、エネルギー産生において重要というわけです。

ヒスチジン

  • ヘモグロビンや赤血球の産生
  • カルノシンの材料になる
  • ヒスタミンの前駆物質となる 

ヒスチジンはヒスタミンの前駆物質となります。ヒスタミンは満腹物質ですので、ヒスチジンの摂取によって食欲を抑えることができます。 

ヒスチジンの最も重要な働きはカルノシンの合成です。

カルノシンはβアラニンというアミノ酸とヒスチジンから合成されます。どちらもイミダゾール基を含んでおりイミダゾール基を含むアミノ酸同士が結合したジペプチドをイミダペプチドと言います。

イミダペプチド(イミダゾールペプチドとも)は渡り鳥の翼の付け根に多く見られる成分で、渡り鳥が休まずに何万キロも飛行できる秘密とも言われています。つまり、疲労回復にとても効果的な成分というわけです。 渡り鳥から見つかったように特に鶏胸肉に多く含まれるとされています。疲労を感じる際は鶏胸肉を多く摂取するようにしましょう。 

Now Foods, L-カルノシン、500mg、ベジカプセル100粒
口コミ

翌朝スッキリ目覚められます|L-カルノシン、500mg、ベジカプセル100粒
就寝前に1錠飲んで寝ています。 翌朝、目覚めが良いですし、疲れづらくなった気がします。 これを飲んでいなかった頃は夕方には疲れ果てていましたが、飲むようになってからは夕方までパワフルに動けます。 私にとって、なくてはならないサプリメントです!


Excellent!|L-カルノシン、500mg、ベジカプセル100粒
本を読んでも目が滑る、同じ思考がぐるぐる繰り返されるなどの症状に効いた。 長時間読書できるようになり、満員電車の中でも不快感を感じることが減った。細かいことを気にしなくなった。また、睡眠の質が深くなったように思う。

ヒスチジンは厳密には体内で合成できるため非必須アミノ酸として扱われている場合もありますが、合成量が少なく特に乳幼児はほとんど合成できないため必須アミノ酸として扱われます。実際に1985年までは非必須アミノ酸として扱われていましたが、不足すると体内の窒素バランスが乱れ様々な異常が現れることから必須アミノ酸に変更されました。

 

さて、ここまで必須アミノ酸の種類と効果を紹介してきましたが、タンパク質がアミノ酸の素であるように高タンパクな食事に気を付けていればアミノ酸の不足を心配する必要がありません。しかし、疲労予防に対するBCAAやヘルペス予防のBCAA、安眠効果のトリプトファンのように体感に直結するアミノ酸もあるのでこのような体感を期待する場合は単体のサプリメントを購入するのが良いでしょう。

参考

タンパク質とアミノ酸 後編:山本義徳業績集3

必須アミノ酸と非必須アミノ酸|オーソモレキュラー栄養医学研究所

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